カメラを手放すとき、誰しも気になるのが「いくらで買い取ってもらえるのか」ということ。新品で何十万円もしたカメラが、数年後には思いのほか安くなってしまうこともあれば、逆に「こんなに高く売れるの?」と驚くこともありますよね。
今回は、そんなカメラの買取相場がどのように決まり、実際の価格にどう反映されているのかをわかりやすく解説します。人気モデルの相場例も交えながら、中古カメラ市場の今を見ていきましょう。
相場ってどうやって決まるの?──査定の基本ルール
カメラの買取価格は、基本的に「中古市場での販売価格」から逆算されて決まります。お店がカメラを買い取った後、店頭やネットで再販売する際の見込み価格から、整備費用や利益、在庫を抱えるリスクなどを差し引いて「買取価格」を設定する仕組みです。
そのため、同じカメラでも買取店によって金額が違うのはよくある話。一般的には中古販売価格の60〜80%前後が目安とされており、人気や在庫状況によってはそれ以上の価格がつくこともあります。
カメラのタイプ別に見る買取相場の傾向
では、実際にどんなカメラがどのくらいの相場で取引されているのか、タイプ別にチェックしてみましょう(※価格は2025年時点の参考例です)。
1. ミラーレスカメラ
今の主流となっているのがミラーレス。特にフルサイズモデルは人気が高く、高値での取引が続いています。
モデル | 中古販売価格 | 買取相場 |
ソニー α7 IV | 約27〜29万円 | 約22〜25万円 |
キヤノン EOS R6 Mark II | 約30万円 | 約24〜27万円 |
ニコン Z6 II | 約22万円 | 約17〜19万円 |
※発売からの年数が浅く、性能・人気ともに高いため、安定した相場を維持しています。
2. デジタル一眼レフ(DSLR)
やや市場は落ち着いてきていますが、名機と呼ばれるモデルは今も高い人気があります。
モデル | 中古販売価格 | 買取相場 |
ニコン D850 | 約22〜25万円 | 約17〜20万円 |
キヤノン EOS 5D Mark IV | 約18〜22万円 | 約14〜17万円 |
ただし、今後は徐々にDSLR全体の相場が下がっていく可能性もあるため、売却を考えているなら早めの決断もアリです。
3. コンパクトデジカメ(コンデジ)
スマホの影響で市場は縮小傾向にありますが、高級コンデジは健闘中。
モデル | 中古販売価格 | 買取相場 |
リコー GR III / IIIx | 約9〜11万円 | 約7〜9万円 |
ソニー RX100 VII | 約11〜13万円 | 約9〜10万円 |
軽量かつ高画質なスナップ用として、一定のニーズがあります。
4. フィルム・クラシックカメラ
機能性というよりも「希少性」や「ブランド力」で価値が決まる世界です。
モデル | 中古販売価格 | 買取相場 |
ライカ M6 | 約40〜50万円 | 約30〜40万円 |
ニコン F2 フォトミック | 約3〜5万円 | 約2〜4万円 |
状態がよいヴィンテージ品は、コレクターや若い世代からの支持で高値がつくこともあります。
査定額に影響する意外なポイントとは?
カメラの価格は、見た目や動作だけでなく、次のような細かな要素にも左右されます。
- シャッター回数:一眼レフでは“使用頻度”を示す重要な指標。多いと減額に。
- ファームウェア更新の有無:最新バージョンにしておくと、丁寧に使っていた印象に。
- 限定モデル・色:生産数が少ないものは、相場より高値がつくことも。
- 市場のタイミング:新モデル発売直後や年末年始は、相場が動きやすくなります。
おわりに──“相場”というヒントを味方に
カメラの買取価格は、単純に「新しいか古いか」だけで決まるものではありません。市場の動きや人気モデルの流通状況、保管状態など、さまざまな条件が重なり合って決まっていきます。
だからこそ、複数の買取店で相場を比べたり、オンライン査定を活用したりするのが高く売るためのコツ。そして、日ごろから丁寧に使い、付属品を大切に保管しておくだけでも、査定額には大きな違いが出てきます。
カメラは、ただの道具ではなく、思い出を詰め込んだ“記録のパートナー”。手放すときにも、しっかり価値を見てもらえるように、「相場」という鏡を上手に活用していきましょう。