一眼レフとミラーレスの違いとは?

──構造からひも解く、「カメラ選び」のちょっといい話

カメラを選ぶとき、誰もが一度は迷うのが「一眼レフとミラーレス、どっちがいいの?」という疑問ではないでしょうか。見た目はなんとなく似ていても、中身や使い心地は意外と違うこの2つ。
しかも、その違いは“どんな写真が撮れるか”だけでなく、“どんな気持ちで撮れるか”にもつながっています。

今回は、そんな一眼レフとミラーレスの違いを、スペックの話にとどまらず、「どんな人に向いているのか」「なぜそれが選ばれるのか」という視点から、やさしく解説していきます。


■ そもそも、何が違うの?

一番の違いは、カメラの“中身”、つまり構造にあります。

● 一眼レフって?

正式には「一眼レフレックスカメラ」といって、レンズから入った光を中の鏡(ミラー)で反射してファインダーに届けるしくみ。
ファインダーをのぞくと、目の前の風景がそのまま見えるようになっていて、シャッターを切るとミラーがパッと上がり、センサーに光が届く仕組みです。

まさに「見る」「構える」「撮る」が一直線につながる、“光をそのまま捉える体験”が味わえるカメラです。

● ミラーレスって?

名前の通り、ミラーを取り除いたカメラ。代わりに、センサーに映った映像を画面や電子ファインダー(EVF)に表示します。
ファインダー越しに見ているのは“光そのもの”ではなく“センサーが見ている映像”になりますが、その分、色味や明るさ、ボケ具合をリアルタイムで確認できるのがポイント。

どちらも一眼タイプですが、撮影までの“感じ方”がちょっと違うのが面白いところです。


■ それぞれの「いいところ」と「ちょっと気になるところ」

◎ 一眼レフのいいところ

  • ファインダーが自然で見やすい
     →肉眼で見るように構図を決められるから、風景や動きのある被写体にぴったり。
  • 電池が長持ち
     →EVFを使わないので、バッテリーの減りもゆっくり。
  • 頑丈な機種が多い
     →雨やホコリにも強くて、長く使える安心感。
  • 中古品も豊富
     →種類が多く、レンズも探しやすい。

▼ 一方で…

  • 重たい&大きい
     →持ち歩きには少し気合いが必要かも。
  • 最新技術との相性はいまひとつ
     →新機能がミラーレス中心で登場しているため、少し時代を感じることも。

◎ ミラーレスのいいところ

  • 軽くてコンパクト
     →お出かけにもサッと持って行きやすい!
  • 見たまま撮れる安心感
     →写真の仕上がりがファインダーや画面にそのまま出るので、初心者でも安心。
  • 動画にも強い
     →手ブレ補正や高画質対応モデルが充実。
  • 新しい技術がたくさん
     →瞳AFや被写体追尾など、まるでカメラが“考えて”くれるようなサポートが満載。

▼ 気になる点は…

  • バッテリーの減りが早い
     →表示が常に電子なので、充電には気をつけたい。
  • EVFの見え方に慣れが必要
     →人によっては“ちょっと不自然”と感じるかも。

■ 「撮る楽しさ」で選ぶのもアリ

どちらのカメラにも、スペックには表れない“撮る感覚”があります。

たとえば、一眼レフの「シャッターを切るときの手応え」や「ファインダー越しの世界」にときめく人もいれば、
ミラーレスの「軽やかさ」や「スマホみたいに直感で操作できる楽しさ」にハマる人もいます。

“どちらが優れているか”よりも、“どんなふうに写真と向き合いたいか”で選ぶのも、素敵な基準です。


■ プロの現場では、どう使い分けてるの?

最近ではプロのカメラマンも、場面によって一眼レフとミラーレスを使い分けています。

  • スポーツ・報道 → 一瞬のシャッターチャンスを逃さない一眼レフ
  • ポートレート・ファッション → 美しさや色を重視してミラーレス
  • 動画撮影 → 圧倒的にミラーレス優勢
  • スナップ・風景 → 好みによってどちらも人気

メーカーも今はミラーレスに力を入れており、最新モデルはどんどんこちらで登場していますが、それでも一眼レフならではの魅力にこだわるファンも多く、根強く支持されています。


■ まとめ:大事なのは「カメラでどう楽しむか」

一眼レフとミラーレス。構造の違いから生まれたそれぞれの特徴は、今ではどちらも立派な選択肢です。

もしあなたが「じっくり構えて、光を感じながら写真を撮りたい」なら、一眼レフが合っているかもしれませんし、
「軽快に、自分らしくシャッターを切りたい」なら、ミラーレスがしっくりくるかもしれません。

でも一番大切なのは、**そのカメラで“どんな写真を撮るか”**です。
あなたの目で、あなたの手で、大切な瞬間を切り取っていけることこそが、カメラのいちばんの楽しさなのです。

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