「電源が入らない」「レンズが動かない」「液晶がバキバキ」──そんなカメラを前に、「もうこれは売れないかな…」と思ったことがある方、多いのではないでしょうか。でも、実はそんな壊れたカメラでも、買い取ってもらえるケースってけっこうあるんです。むしろ、ジャンク品としての“需要”があるジャンルも存在しているほど。
今回は、壊れたカメラでも買い取ってもらえる理由や、実際の査定ポイント、売るときに気をつけたいことなどを、わかりやすくまとめてみました。
■ 「壊れている」と言っても、いろいろある
ひとことで「壊れている」と言っても、状態は本当にさまざま。中古カメラの世界では、だいたい以下のように分類されることが多いです。
- 動かない:電源が入らない、シャッターが切れない、AFが動かないなど
- 見た目がボロボロ:液晶にヒビ、外装に大きなキズやヘコミ
- 機能の一部が効かない:ズームが動かない、ボタンが反応しないなど
- 年季の入った劣化:カビやクモリ、サビ、モルトの劣化など
- 水にぬれた過去がある:水没・浸水歴あり。ただし、部品としての価値はアリ
こんな状態のカメラでも、実は“それなりにニーズがある”のが、面白いところなんです。
■ ジャンクでも買い取られる、その3つの理由
1. 部品が使えるから
壊れたカメラでも、まだまだ生きてる部品はたくさんあります。とくに製造終了モデルの場合、修理に使える部品がレアになっていたりするので、部品取りとしての価値は十分。バッテリーカバー、ボタン、液晶、グリップなど、細かいパーツが欲しい人が意外といるんです。
2. 直して再販する業者がいるから
一部の買取店では、自社で修理できるところも。動かなくても「直せそう」と判断されれば、再販用としてしっかり買い取ってくれることがあります。とくに人気機種は、直しても元が取れるので、積極的にジャンクを買い取っているお店もあります。
3. 「直すのが趣味」な人たちがいるから
DIYでカメラを直したり、分解して楽しんだりする人たちも一定数います。とくにフィルムカメラやクラシック系だと、「壊れてても味がある」「自分で直すのが楽しい」って考える人も多いんですよね。なので、ジャンク専門店もちゃんと成立しているんです。
■ こんなカメラ、意外と売れてます
- ライカやハッセルブラッドなどの高級クラシックカメラ
- ニコンFシリーズ、コンタックスなどのフィルム一眼
- キャノン・ニコン・ソニーの一眼レフ/ミラーレス
- オールドレンズ(Mマウント、FDマウントなど)
- FUJIFILMのXシリーズ(部品需要が高め)
古くても人気がある機種、メーカー純正のレンズなどは、ジャンク状態でも意外としっかり値がつくことがあります。
■ 売るときに気をつけたいこと
● 状態は正直に伝えよう
「電源が入らない」「シャッターは動くけどAFがダメ」など、具体的に状態を伝えるほうが、トラブルも防げるし、査定もスムーズです。あいまいに「たぶん大丈夫」と言うよりも、正直が一番。
● 付属品はできるだけそろえて
バッテリーや充電器、元箱、説明書など、付属品があると評価が上がることもあります。とくにバッテリーは、対応機種を持っている人にとっては貴重なアイテムです。
● 「ジャンクOK」の業者を選ぼう
すべての買取店が壊れたカメラを扱っているわけではありません。「ジャンクOK」「動作不良も歓迎」と書いてあるお店にお願いするのが安心です。
■ まとめ:壊れていても、まだ続きがある
たとえ壊れてしまったカメラでも、それまでにたくさんの風景や大切な瞬間を記録してきたはず。そんなカメラが「壊れても、ちゃんと価値がある」と知ると、少し心が温かくなりませんか?
そのカメラは、部品として、修理素材として、あるいはコレクションとして、誰かのもとで新たな役割を担うかもしれません。
「もうダメかも」と思っても、捨ててしまう前に、ぜひ一度、買取査定に出してみてください。思いがけない値段がつくかもしれないし、なにより、あなたの大切なカメラに、まだ“続き”があることに気づけるはずです。